2017/08/17
裏切られた者の救済は最も鮮やかな例として、そこから宗教が生まれることに見られる。キリスト教はイエス・キリストの受難物語に依拠し、そこから生まれるが、人間として生きてきたキリストが権力によって権力に刃向かう犯罪者に仕立てられ、 (さらに…)
2017/08/17
復讐は時間をかけて一人で行う物語もあるが、応援者がいる場合も多い。影の応援者は体制の中にもいる。身分を捨てて復讐に加わる者の話もある。 (さらに…)
2017/08/16
復讐物語には実に多様な筋書きとストリーがある。復讐は法に逆らうので復讐するものが自分の命をかける物語が多い。ハムレットもその例である。日本の例をあげれば忠臣蔵。小林正樹の「切腹」では、 (さらに…)
2017/08/16
裏切りは人間として「してはならないこと」という、法を超えた、人間としての根源的な道徳律、あるいは倫理観が世界のどの文化も社会制度や法体制の底流に普遍的に存在しているということだろう。復讐は常に個人が素手で成し遂げるというイメージがつきまとっている。 (さらに…)
2017/08/15
法とはいつも正義を守るものであるよりは体制を維持するためのものであり、「不当」であるとは体制を構成している規則に照らしてのことなのだ。裏切りとは裏で切るー殺すーことなのだから、卑怯であるだけではなく、法を犯してと、いうイメージが強い。 (さらに…)
2017/08/14
裏切りは復讐と表裏一体をなしている。 それは裏切りとは法で裁けないからなのだろうか。あるいは裏切りとは結果が裏切られた者の完全な敗北を意味し、裏切った者の勝利、つまり裏切った者が権力を握るからであろうか。 (さらに…)
2017/08/14
裏切りは単なる物語のフレームとして用いられているだけではない。人間的尊厳、自己のプライドを傷つけられるという経験は、裏切られることである。 (さらに…)
2017/08/14
その犯罪者をヒーローにするために、彼らが「裏切られた者」であることが物語のフレームになっている。そしてオーシャンの犯罪に加わる者たちはその誰もが、社会的に逸れた者、社会で人間的に不当な扱いを受けた無念を抱えている弱者たちである。 (さらに…)
2017/08/14
飛行機の中で映画「Occean’s Eleven -オーシャンの11人」を見た。もう何度も見た映画なのだが、退屈しのぎに中国語で見てみようと思ったのだった。いつもは飛行機の中は文章を書く格好な時間だったが、今回は何も書く気がしなかったのだった。 (さらに…)
2017/08/6
地崩れは元に戻らない。傷跡が残るだけだ。何かが崩れていく、あるいは崩れていった感覚を幸田文が内面に抱えていたことは確かなのだ。あくまでも厳しく律しられた末に到達した、 (さらに…)
2017/08/6
平田俊子さんの「揺れるな」の朗読を聴きながら、ふと幸田文の「崩れる」というエッセイ集のことを思い出した。前にもこのエッセイ集についてはどこかで触れたことがある。 (さらに…)
2017/07/27
私は洞窟がなんとなく怖いのであまり入らない。同じように穴も怖い。コンラッドだって、アポカリプス ナウだって、恐ろしいものを見せてくれて、もうそれは他人のではなく自分のトラウマになってしまっている。奥に隔離された居場所を持つ奥さんは怖いのだ。円地文子の『女坂』の律さんのように。