2017/12/4
「フェミニズム/ジェンダー批評の現在
現代女性文学を読む:山姥の語りIi」12月19日刊行予定。「山姥の夢」の続編批評集で、Iii も編集中です。山姥は性差規範に縛られて里に住む女の夢のメタフォアで、性差規範から自由で1人あるいは子ずれで生きることへの憧れを持つ女の内面の二重構造を枠組みとした批評です。老いの自由な生き方への想像力でもあり、女性作家には自分の原型と考えた人も多いです。
2017/11/30
詩集「帰路」の韓国語訳が出ました。訳者の李英和さん、イントロを書いてくださった文貞姫さんに感謝しています。
またアメリカから帰って間もない時期にこの詩集を手がけてくれた思潮社の藤井一乃さん、ありがとう。
Jordanの英訳、陳岩さんの中国語訳と並べると韓国語が読めないのがなんとも残念です。茨木のり子さんにならってこれから韓国語勉強します。
外国の研究者はみなさん東アジアを文化圏として捉えて3ヶ国語を習われるのだから日本学者はもっと語学に興味を持たないといけないと思いました。
2017/11/28
白石かずこ全詩集の第1巻が出た。先日の出版記念会にはひどい風邪を引いて出られなかったので、いま本を手にした。やっぱりすごい詩業で初期の作品にも圧倒される。詩は小説と反対に若いときの作品の方がいいと聞きにくいことを言う批評家もいるが、白石さんの詩は即興性とイメージに凝縮させる距離感の両方が初期の詩からあり、彼女の詩の「長生き」の本質を感じた。My Tokyo は何巻に入るのだろうか。現代詩を変えたあの作品は。
2017/11/28
小原風子さんの個展が谷中の「ひるねこ」で開催中。「ぼくと2まい葉」は間に合わなかったのが残念だけれど、風子世界を堪能しその夢の色の繊細な展開に感激しました。
「風子」という名前をも授かった時から宿命の風が 吹いていたことを感じます。小さな本屋さんもいつも訪れたいと思うお店。谷中は風子さんの福島と違和感なしにつながる場所なことを感じました。
2017/10/2
My first book of ehon for children will be out in mid October. Obara Fuko, painter in Minami Soma City in Fukushima took my story and myself to a new world which I have never imagined. Fuko sensei moved from Fukushima City after March 11 to Minami Some to works for a children’s Museum there, one of the places in Fukushima which were exposed to radio activities most seriously.
2017/09/28
私は詩と詩人が好きだが、小説作品には詩だと思えるものが多くある。谷川俊太郎さんは詩とポエジーは違うと言って、詩作品でもポエジーのないものは詩ではないと言っている。大庭みな子さんは、自分は詩人だといつも言っていた。中沢けいさんの「海を感じる時」、森敦さんの「月山」などは詩作品として今でも心に残ったままだ。でも小説家の描写力はすごいので、そして構築ということが小説では市民権を与えられていて、 それが小説本来的な表現の形を作るので、やはり、小説家は詩人では真似のできない腕を持っている。しかし、最近また、谷崎潤一郎と芥川龍之介の論争が注目されているのは、小説と詩の間が、詩と俳句の間同様、ジャンルの越境による表現の変容が顕著となっているからだろうか。
2017/09/27
作家と友人の関係は愛し合っていない夫婦の関係にも似ているのかとちょっと思った。表向きと内心が違うというような。でもこれはショックのあまりの愚痴になりそうだから、もうお終いにしよう。
2017/09/27
今回作家と作品に変なこだわりを覚えているのには無意識の理由があるのかもしれないと気がついた。数年間一枚の絵の作成に関わってきてやっとその作品を完成させた友人の画家が、その絵の個展に私を呼んでくれなかったのだ。
2017/09/27
考えてみると映画監督は詩人に近いのかもしれない。詩作品はテキスト空間が限られているから、外部を(勝手に)取り込まないといけなくて、そこには詩人という人生が入り込んでくるのだろう。尾崎翠やシルビア・プラスは詩人論にしたくないと思ってかえって中途半端になってしまっているのかもしれない。
2017/09/27
これまでの翻訳は作品を他の言語に置き換えることで、 作家論をしているわけではないと思っていた。作家論や作家研究は、私の批評と相容れないところがあって、なるべく小説作家とはお付き合いをしないようにもして来たのである。今回の翻訳で改めて知ったことは、トリュフォーの評論を訳しているのに、彼の人生が私の思索と想像力の全てを捉え、作品論の良さはどちらかといえばどうでも良いくらいに思えて来たことだ。 (さらに…)
2017/09/26
一年ほどかけてフランソア トリュフォ の映画論の翻訳をしている。彼は私にとっては「我が人生の映画監督」だが、彼の人間としての素晴らしさに本当に気図いたのは、翻訳を始めてからだった。見直すたびに映画作品が違ってくるのも驚きだった。解釈が変わることはよくあるが、監督の人間が見えてくると作品が違ってしまうという経験は初めてで、 (さらに…)
2017/09/21
2017年度第4回「帰路の会ー女性文化研究会」 上野千鶴子公演・水田宗子との対談 研究集会 戦後の曲がり角で人文学の危機を問い直す! 日時:10月22日(日) 会場:弘済会館 蘭東4階 *入場無料・一般参加歓迎 詳細はこちら