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水田宗子

幕間

2017/08/15

法とはいつも正義を守るものであるよりは体制を維持するためのものであり、「不当」であるとは体制を構成している規則に照らしてのことなのだ。裏切りとは裏で切るー殺すーことなのだから、卑怯であるだけではなく、法を犯してと、いうイメージが強い。事実法廷は、体制の構成規則に従っているという理屈があれば、裏切り行為を正当化し、裏切った者を罰するどころか、逆に裏切られたものを犯罪者にもする。だからこそ、裏切りは永遠の文学のテーマとしてドラマ化され、哲学のテーマとして思想化されて人類の文化を作って来たのだろう。世界でよく知られ、読まれ続けて来ている悲劇は、例えば、シェークスピアの悲劇、「ハムレット」、「オセロ」「リア王」はどれも裏切りに端を発して、その復讐としての正義の奪回、裏切られた者の名誉挽回が主題となっている。


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