2019/12/20
第4回悦子プライスグローバルレクチャー
The Fourth Etsuko Price Global Lecture Series
フランスルーブル美術館ギメ東洋美術館の創設者エミール。ギメ研究の草分け尾本圭子さんの講演会が日本女子大学百年館で行われます。
4時からです。ご都合のつく方はぜひご参加ください。
2019/11/29
あと2巻で全集が完了します。
2019/11/1
2019/10/31
2019/09/25
2019/07/29
旅は道連れというが、私は随分道連れについて詩を書いて来たことに最近気がついた。今回のイギリス再訪は、 オックスフォード大学での講演の後、ロンドンに立ち寄ったくらいの短い間だったが、親友の和智綏子さんと一緒で、またUCLAで教えている息子も参加してくれて心置きないロンドンの2泊という滞在とも言えない短い滞在となった。オックスフォードでは私の以前の学生たちで今はアメリカの大学やオックスフォード大学の教授をしている人たちとの懐かしい再会もあった。中でも城西大学の 私の元で論文を書くための勉強をした学生だった オックスフォードの教授はグアム出身で、ロス、城西経由でオックスフォードへたどり着いた日本文学研究者である。他にもイギリス出身だが中学に入る頃家族がアメリカに移住したためにアメリカ育ちで、アメリカの大学で日本文学を勉強した 現在オックスフォード大学の教授や、オックスフォード大学出身のイギリス人だがアメリカの大学で日本学に出会い、日本に留学し、日本文学研究者となった人だが、 イギリスの大学教授の地位を定年までのあと数年以上あるのにやめたところで、これから日本に住む予定だという学者で翻訳家などなど、どこを見ても外国人の日本研究者は日本にたどり着くまでの道のりが大変込み入っていて、グローバルで、またその道が「ハイブリッド」であることに感心する。彼らは常にどこかでデイアスポラであることにも変わりなく、日本語が達者で、日本について、しかも日本人が知らないようなことを深く知っているのだが、日本人としてのアイデンテイティ意識はなく、地球上で日本を住む場所として選んでいるという感じである。
夏目漱石、芥川龍之介、 谷崎潤一郎、永井荷風、三島由紀夫、安部公房、中上健次、村上春樹、そして女性作家、と外国人研究者は日本文学のハイブリッド性やディアスポラ性を引き出して、 日本人による日本文学研究 の分野に新たな視野を提供して来たと言える 。
それは比較文学的視野と言われることが多いが、実際には、その視点は学問的なものであるより以上にもっと本質的な作家・批評家としての経験、中でも外国人として異国に住むという「外地経験」、そして、社会から逸れる感覚や意識が必然的に生み出す自己存在意識に基づく批評の視点であると思う。事実『無用者の系譜』は、古典の女性文学(女流文学)にも通じる日本文学史を貫く作家の自己意識の系譜でもあると考える。
自国の文学や文化を研究する学者に比べて、他国の文化や表現を研究する学者たちは、なぜその国を選ぶのか、という問いに答えを持っているのだろうかと、自分自身のことも含めて、いつも興味を抱く。そして答えはいつもあたかも偶然であったというような、からかい気味な口ぶりではぐらかされる。日本のこういうところに惹かれて、などと正直に答えてくれる人は少ない。アメリカ人の場合は、日本との関係が、日系人社会、戦争、占領、を含む戦後の政治的関係の深さもあり、そして大学における日本語や日本文化・社会関係授業もあって、大学からストレートに日本を選んで大学院、留学という研究者への道を歩む人もいるが、他の国の人はそうではない。
博士号を取得したのちの教職のポジションも大変狭き門なのであるし、翻訳家、通訳、企業での日本語を生かす就職口も少ないのが現状である。それにもかかわらず今回出会った研究者は定年までのかなりの年数を残して、退職し、日本とイギリスを自由に往復できる生活を目指すという。日本はそういう外国人研究者にとって住みやすい、仕事をしやすい場所なのだろうかと考えた。日本はこれから政府のスーパーグローバル補助金をもらった大学が、外国人教員を採用する機会が増えたり、外国人労働者への門戸が開けたりするようになっていくだろうが、自国にとってだけではなく、他国にとっても「無用者」扱いの詩人や、論文数が足りない研究者が 暮らすのに日本はもってこいの場所なのかどうか、と考えた。
私は原稿を抱えて異国に一人で滞在したいと常に願望してきたが、では具体的にどこにと考えるとなかなか決められないままである。自国よりも生活費が高いところは論外であろうし、言葉が通じなければ日常生活は困難だろう。社会的なポジションや肩書き、お金のある人は外国で居場所を持つことができるだろうが、詩人やジェンダー研究をしている人たちは「無用者」扱いをされるだろうし、そうかと言って、肩書きのないところで暮らしたいというのが、そもそもその人たちの願望なのだ。ただの人として暮らすこと、そのように生きる空間を持つことが が創作の原点だからである。世俗社会はそのようにできていないばかりでなく、肩書きばかりを尊重する人たちで、政府や官庁だけでなく、大学や研究所も構成されている。
しかしその「肩書きホモソーシャル」社会が必ずしも尊敬されているわけではないのが、肝心なことである。歴史に残る文化の資料やテキストは、肩書きを尊重する人たちによって作られることはなく、「風来坊」を志向する、肩書きホモソーシャル社会から「無用者」扱いされる芸術家や詩人や哲学者、そしてマイノリティのジェンダーを持つ人たちだからであることは、歴史が証明している。日本がそういう人たちにとって、自由で、一人でも暮らせる場がある余裕を持つ社会、文化であるといいと思った。
シルヴィア・プラスが「生きた」のではなく「死んだ」場所の前に50年前と同じように立って、残された幼子たちのそれからの「ハイブリッド」としての人生や、アメリカ人だったプラスにとって、イギリスは生きる場所ではなかったのか、と深い哀切を覚えた。
2019/07/28
オックスフォード大学での講演とシンポジュームの後にロンドンに 2泊する短いイギリス再訪の旅をした。イギリスは1966年から67年に滞在して以来50数年ぶりである。ロンドンには子供達が住んでいたこともあり、来る機会は多くあったのだが、こんなに長い間来なかったのは他の国へ仕事で訪問することが多かったからだった。
この間の大きなイギリスの変貌にきっと驚くだろうと皆に言われて来たのでが、実のところ、全く驚かなかったのは、 多くの人種、民族の異なる人々で街が賑わう風景にはすっかり見慣れていたからだろう。それに加えて、1967年のイギリスのことを忘れてしまっているからかもしれない。
実際ニューヨークもパリも、ましてやロスも白人の住む西洋の街という印象をなくして久しいのである。昨年の夏アメリカのメイン州へ行った時に、白人ばかりの風景に驚いた経験の方が、異常な風景を見たというその思いの方が、はるかに強い印象を残している。確かにロンドンの街を行き来する人たちは背丈高い人ばかりとも限らず、肌の色もまちまちであり、ファッションはといえばほとんどがグローバルな制服のジーンズと運動靴だ。スカーフを頭に巻いていてもそのような服装の人が多いのだから、見慣れている都市風景で、別に驚くには当たらない。テームズ川のほとりの発電所を美術館に変えたテートモダンのすぐ近くに、1990年代に建てられたシェークスピアのグローブ劇場が真新しい綺麗な姿で立っているのも、新旧の建物が隣り合わせのニューヨークと少しも変わらない雰囲気だし、中国語が飛び交う観光都市風景は東京でもすっかり馴染みになっている。
それでも変わってしまってがっかりした場所と、変わらないまままで胸を打たれた場所があった。変わってしまってがっかりしたのは大英博物館だった。1967年、私はイエール大学院での勉強を終えて、博士論文を書くために、2歳の長男を連れて家族3人でロンドンに滞在した。その頃イギリスの経済がよくなくて、新しい建物はほとんどなく、アパート探しで苦労したのだが、やっと都心を離れたハマースミスに落ち着いて、そこから夫と一日交代代で、大英博物館内の図書館に通ったのだった。 有名なエジプトやメソポタミアの古代遺跡をそのまま移した、博物館にも圧倒されたが、何よりも大きなドームの下に広がる広大な図書館は帝国時代の雰囲気をそのまま残していて、文化遺産としての本、学問の蓄積の厚さに、権力と財力の物凄さを見せつけられる思いで圧倒された。マルクスもここで研究したのだと思って感激もしたが、エドガー・アラン・ポオで博士論文を書いた私は、ポオに影響を受けたことで知られているロゼッテイの書き込みがあるという『グロテスクとアラベスク物語』の初版本をこともなげに、ごく普通に貸し出してくれることにすっかり感動したのであった。当時アメリカには初版本はなかったのである。透き通る大理石でできたイエールの貴重本図書館は私が大学院生だったころはまだ建つていなかったが、ロゼッティの書き込みがある初版本ならば、厳重な管理のもとで滅多に貸し出してなどしてくれないに違いない。イギリスの大げさなところのなさに私は文化の厚みを感じたように思ったのだった。
その図書館は博物館から独立して別の場所に移され、そのドームの下は広い部屋の中を円形に仕切られて、かっこいいカフェになり変わっていた。なんとも幻滅して、心からがっかりしてしまった。コーヒーも高かったが、世界中に見られる今風のカフェはかっこ悪くさえ思えたのだった。当時は若い所為もあって、初めて見るミイラやスフィンクスに肝をつぶしたのだが、今回はよくここまで持ってこられたものだと感心したり、これは外国から返せと言われるだろうなと感じ入ったりする方が強くて、あまり長居をすることなく退散したのである。
変わらないただ住まいで感動したのはシルヴィア・プラスの亡なった家のあるあたりだった。1966年アパート探しで何週間もロンドンのあちこちを歩いて回っていたころ、偶然に、イエーツの住んでいた家だという理由で、プラスが そこを借りたという家を訪ねたのだった。プラスは夫のテッド・ヒューズと別れて、二人の幼い子供たちを連れてロンドンに出てきてそこに住み、そこで自殺を遂げたのだった。広く緑に溢れたリージェントパークの前にある質素で静かな住宅街で、人っ子一人いない 昼下がりの、イギリス特有のタウンハウスのような家が立ち並ぶ通りに立つと、や はりかのイエーツの住んだところというよりは、シルヴィア・プラスが人生の最後の時間を過ごした 場所にいることに胸が締め付けられることに変わりはなかった。家の入り口にはイエーツが住んだという青い説明板はあるが、プラスのことは何も書いてなかった。その家の地下室が、当時貸しに出されていたのだった。
通路から地下を除いて見ると、誰かが住んでいるらしいことは明らかだった。キッチンらしく、きちんと整っていて、ダイニングテーブルと椅子がいくつかあった。どんな人が住んでいるのか、もちろんプラスのことをよく知って住んでいるのだろうと、胸が痛くなった。 私がロンドン滞在を終えて日本に一時帰り、最初に手がけたのがプラスの詩の翻訳だった。ロンドンに来た甲斐があったと、急に緊張がほくれて身体から力が抜ける思いがした。
プラスといえば、 旧友の風呂本惇子さん一家とロンドンでお会いすることができた。風呂本さんはプラスの分厚い伝記を翻訳した方である。その伝記はプラスに対する見方をかなり大きく修正したことでも有名 で、それまではかなり一方的に評判の悪かった夫のヒューズの側からもプラスについて見る視点を提供している。
風呂本さんとは不思議と縁が深く、戦争中の疎開先の小学校でやはり疎開してきた彼女と偶然一緒だったのが、大学に入って再会し、大学院もまた一緒になった。
娘の佳苗さんはロンドンと日本を拠点に、 世界を舞台として独特な音楽世界を展開しているピアニストで、アイルランド学者を父に持つ。私は彼女の音楽センスと文学的とも言える抒情の世界が融合した独特な美の世界が好きで、いつもその演奏に心酔する。ある時、舞台の上で演奏している彼女が一瞬母である友人の面影を濃く 写していることに深く胸を突かれた。それはあまりにも突然の啓示のような強さで胸を打ったので、演奏が終わった時には涙が流れ出ていたのである。
ロンドンではSOASで日本文学を教えている研究者たちとおしゃべりもできたし、ウルフのブルームスベリー通りの近くのホテルにも泊まってそこいらを歩くこともできた。オックスフォードでは私の仕事についての学会を催してくれたのでなんとなく気恥ずかしい思いのする滞在だったが、ロンドンは グローバルな現代都市の雰囲気に違和感なく50数年の時間を飛び越えることができた経験となった。
2019/07/28
水田宗子教授の業績を讃えて詩・翻訳・教育シンポジウムオックスフォード大学ペンブローク・カレッジにより6月17-18日に開催された
Poetry, translation, education: A celebration of the work of Prof. Noriko Mizuta (in memoriam Dr Kenji Tanaka)
Pembroke College, University of Oxford
17th June 2019
*学会報告
Oxford University holds a symposium celebrating Chancellor Noriko Mizuta’s work
6月17-8日に水田宗子理事長は英国オックスフォード大学ペンブロークカレッジのローレンス・マン教授とリンダ・フローレス教授の招きにより、水田宗子先生の業績を讃える国際学会での基調講演と、それに続き翻訳に関する学会において、英語に翻訳されたご自身の詩を朗読され、また、その後の翻訳に関する国際学シンポジウムに参加された。
Oxford University Pembroke College held an international conference Celebrating the work of Chancellor Noriko Mizuta, in which Prof. Mizuta gave the key-note speech on the June 17-18, 2019 International conference titled “Poetry, Translation, Education: Celebrating the Work of Professor Noriko Mizuta.” Chancellor Mizuta recited some of her poems in Japanese and then they were translated into English by the students of Japanology, Japanese Literature, and Japanese language of several colleges of the Oxford University. The conference was organized by Prof. Laurence Mann and Prof. Linda Flores, Pembroke College & Faculty of Oriental Studies, University of Oxford, England
今回の学会は英国オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ(17世紀にペンブローク伯爵によって創設された、おックすフォーd大学でも3番目に古いカレッジである)を会場として、「詩、翻訳、教育:水田宗子教授の業績を讃えて
Poetry, translation, education: A celebration of the work of Prof. Noriko Mizuta」と題して水田宗子理事長の業績を讃える日本学のシンポジウムがオックスフォード大学により開催されたものである。
オックスフォード大学は、英国の歴代首相の半数を排出している名門校であり、9世紀から10世紀にかけて形成された
由緒ある街で、大学には40以上のカレッジを有する、まさに街そのものが最高学府を形成している環境そのものである。今回の水田宗子先生の業績を讃えるシンポジウムは、数あるカレッジの中でも
古い歴史を持つペンブローク・カレッジのキャンパスで開催され、参加者も、オックスフォード大学の幾つかのカレッジや、ロンドン大学オリエント・アフリカ研究校(School of Oriental and African Studies, 略してSOAS, London University),アメリカのエモリー大学(アトランタ、ジョージア州)、韓国、日本など世界から多様な学者が参集していたのが印象的だった。
開会あいさつはペンブロークカレッジのマスターと呼ばれるリン・ブリンドリー学長(Dameというknightに叙せられた女性という敬称 )の称号を持つMasterで、Master という職位は学長と説明されました)
総合司会は、オックスフォード大学ペンブロークカレッジのフェロー(評議員)であるリンダ・フローレス教授。(日本に留学した時は、水田宗子先生を論文指導教員として学ばれた方である)
第一部はアメリカのエモリー大学のジュリア・ブロック教授による、水田先生の業績の顕彰し、いかに水田先生がつとに日本女性作家の作品を多数英語に翻訳されたことが、それを若い頃から読んだ自分を含む人びとの中から、いかに多くの日本文学、日本学を志す学者研究者学生が育成されてきたかを示された。
それに続き、水田先生によるキィノートスピーチ「山姥の翻訳」によって、比較文学、文学批評に最先端の道を切り拓かれてきたご自身の経験を話された。大庭みな子、林芙美子、富岡多恵子、円地文子、白石かず子などの日本女性作家たちだけでなく、英米のエドガー・アラン・ポオやシルヴィア・プラス、ヴァージニア・ウルフなど、比較文学、フェミニズム批評の深い学問に根ざした講演をされた。世界中から参集した学者、研究者、また
学生たちは、長い間、先生の作品を学んできた今、こうして直接水田先生から講義を聞く感激に目を輝かせて聞き入っていたのが印象的だった。
第二部は、オックスフォード大学ローレンス・マン教授による司会で、マン教授は、この学会をリンダ・フローレス教授と一緒に企画運営された方で、この学会に向けて、何年間も日本学を学ぶオックスフォード大学の学生たちによる水田先生の詩の英語訳のワークショップや授業を指導されたのである。
第二部の研究発表の最初は、ロンドン大学SOASオリエントアフリカ研究校
のハンナ・オズボーン教授による「水田宗子から金井美恵子へ:テキストを読み翻訳すること」と題する非常に緻密な
そして、新しい視点からの研究発表がなされた。
次に、水田先生によるご自身の三篇の詩の朗読がされた。
これらの詩は、オックスフォード大学の日本学、日本文学、日本語学を学ぶ学生たちが選んで、ワークショップによる体験型学習プログラムで英語訳に挑戦した詩である。学生たちは一言も聞き漏らすまいと、水田先生の朗読に耳を澄ませて聞いていた。その後で、学生たちによる、それらの詩の英語訳が英語で読まれた。参集した学者研究者たちからは、大変良い
翻訳だと、お褒めの言葉が表明され、また、質疑応答が活発になされた。体験型のワークショップの学びは、学生たちに深い印象を与えたことであろう。ここから次世代の日本研究者が育つことが期待できると確信した次第である。
会場には、水田先生による著書が展示され、参加者たちは、親しく手に取って、目を通し、中には「買いたい」という希望を述べる人もいた。水田先生は、学会をオーガナイズされたフローレス教授とマン教授に御自分の著書を贈呈してこられた。きっと今後の研究や授業で役に立てられることであろう。先生がたや学生たちには大変に喜ばれた。
文責:和智綏子
この学会のプログラムとワークショップで朗読された学生たちによる水田宗子先生の詩の英語訳の例を以下に記す。
3rd TANAKA SYMPOSIUM IN JAPANESE STUDIES
Poetry, translation, education: A celebration of the work of Prof. Noriko Mizuta (in memoriam Dr Kenji Tanaka)
Pembroke College, University of Oxford
17th June 2019
The Tanaka Symposium in Japanese Studies, titled “Poetry, translation, education: A celebration of the work of Prof. Noriko Mizuta”, took place on 17th June 2019 at Pembroke College and the University of Oxford as an exciting event.
Registration
Registration opened at 9.45 in the Harold Lee Room, located on the upper level of Rokos Quad, which is accessed via a bridge, at the far end (left) of Chapel Quad.
Keynote Lectures
We are pleased to announce that the keynote lecture was given by Noriko Mizuta.
Lunch for presenters was served in the Main Hall, Chapel Quad, from 12:30 to 13:30.
After the symposium, at 17:15, participants took a private tour of the Pembroke Art Gallery. More information on the Gallery can be found at: http://www.pembrokejcrart.org/
A drinks reception was held in the Auditorium Foyer after the end of the symposium, from 18:00 to 18:45. Dinner was served thereafter in the Forte Room, next to the main dining Hall in Chapel Quad.
Directions
Pembroke College is located on Pembroke Square just off St Aldate’s in central Oxford.
Oxford has excellent road and rail links, and is not far from major airports. Pembroke is in the centre of the city, with public transport terminals nearby. There is a regular and reliable direct bus service from Heathrow and Gatwick airports to central Oxford, called ‘The Airline’.
https://airline.oxfordbus.co.uk
http://www.admin.ox.ac.uk/access/colleges/pembroke/
You can find a map of the College here:
Maps and information on how to reach Oxford, and Pembroke College:
http://www.pmb.ox.ac.uk/sites/default/files/how_to_find_us_map.pdf
The conference venue
Information and pictures of the Pichette Auditorium and other facilities at Pembroke can be found here:
http://conference-oxford.com/venues/conference/pembroke-college
For general information on the College and contacts, please see:
オックスフォード大学学生たちによる水田宗子の詩の英語訳
「草原の回復」
Recovery in the grass fields
After a prolonged child birth
I lay down upon the grass fields
That moisture
It does not wet my skin
It flows from me
It surrounds me
And then, it ignores me
Forbidden indulgence
I was denied recovery through water
After the end
The wind starts blowing in the grass fields
I cradle grass with my dry skin
Just like a saint
While wiping my cracked lips
I chew on the grass
Words haven’t come back to life yet
There hasn’t been a visible sign of recovery but
On his new bed without bloodstains
In dry grass fields
Just like a rabbit
in silence
I live
still
It is my vision, looking into the distance
Which draws on water
And it becomes hazy.
Translated by Barbara Mikulášová, a student of Japanese Studies at the University of Oxford.
この詩を英訳したのは、オックスフォード大学で日本学を学ぶ学部生のバーバラ・ミクラショヴァです。将来はこの詩を父親の祖国であるスロヴァキアの言語に翻訳したいという夢を持っています。
深い眠りがあったら – If You Sleep Deeply
If you sleep deeply,
Something will surely awaken.
Just as when the seasons change,
The meadow grasses bear buds.
If you take a train,
A single parting glance
toward all that you leave behind
Is enough.
A man standing
Frozen
On a river bank;
Young siblings
Holding hands
At a railway crossing.
Everything is a fleeting farewell.
It passes by at such speed that
it cannot be regained
no matter how fast I run.
To drift off to sleep
is to be within a deep cylinder.
Circling,
Slipping.
No matter how far it goes
It isn’t enough.
Descent
Endless temptation
Even if you embrace the abyss
You will never reach
the source of the wound
The desire on which
Awakening relies.
To drift off to sleep
is to be within a reverberation
A deep chasm of illusion
Repeating only nothingness
From the depths of the fog
Ever returning
The sound of silence
Echoes of eternity.
詩はまっていてくれると – Poetry Is Waiting For Me
Poetry is waiting for me;
is the soul that T.S Eliot spoke of
waiting for me, I wonder?
Lurking in a thicket
or laying in a meadow:
For me to catch up with.
Or,
Will it ambush me?
Lying in wait someplace,
As if it might slit my throat
to test its strength.
Am I waiting too, I wonder?
If I walk around town like this:
Aimless, a drifter
just passing the time,
Will I meet it by chance?
Closing in on me
from the beyond.
If I pass through
a foreign country,
Calling out to stop me
suddenly
from behind.
In the ancient ruins
visited by tourists,
Will it be basking
on the bare earth?
Like the space
that I watched intently,
Born of an explosion,
and sucked into a black hole
before disappearing altogether,
Will the days
in my memory, too,
be sucked into
a single spot upon the earth?
To see for myself:
The leaves and ashes
whirling in this garden,
Entrusted with something
like a soul,
Fly away,
Little by little.
No matter how far I chase them
I can never catch up.
Like the story of a journey
with destination indeterminate,
Waits for a poet
that materializes,
someplace;
Truly, poetry is waiting for me.
Melissa Jane Lewis is an undergraduate student of Japanese at the University of Oxford, Hartford College. She is currently writing a dissertation on presentation of gender and youth identity in Japanese video games. (メリッサ・ジェイン・ルイスはオックスフォード大学ハートフォード・カレッジの日本語専攻の学部生であり、現在、日本のビデオ・ゲームにおけるジェンダーと若者のアイデンティティの分析で卒業論文を執筆中です。)
研究所・研究所員活動報告
*6月企画運営委員会会議June Operational Management Meeting
日時:2019年6月12日(水) 16:30~20:00
Date and Hours: Wednesday, June 12th, 2019 16:30~20:00
企画運営委員会は、理事高、理事、副所長らの出席によって開催された。
議題
1 研究所の出版について
1)編集担当、出版予定期日、予算などについて
話合われた。
2)ジャーナル3号について
現在入稿済みの原稿と今後の予定について話し合われた。
3)プロシーディングスその他の出版について話し合われた。
2 水田宗子翻訳賞について
水田理事長はじめとする寄附金を基金として「水田宗子翻訳賞」を設置し、賞金・審査謝礼などが話し合われた。趣旨については岩淵副所長が
起草する。
3 プライス悦子グローバルレクチャーについて
伊藤実佐子氏など、研究所内外の有識者による審査委員会を設置する。
ニュースレターの発行と研究所のホームページへのアップが確認された。
また、6月15日から22日まで、水田宗子理事長の業績を顕彰する学会が英国オックスフォード大学ペンブローク・カレッジで開催されることの詳細が話し合われた。水田理事長には和智理事が随行する。
*JSS Annual Dinner
開催される。
2019年6月13日 (木) 本研究所理事長が会長を務めている日本スウェーデン協会の名誉会員であるノーベル物理学賞受賞者である梶田隆章博士(日本物理学者天文学者東京大学卓越教授、同大特別栄誉教授、東京大学宇宙線研究所長・教授、兼同研究所附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター長)による特別講演会とそれに続く年次晩餐会が駐日スウェーデン大使館において開催された。
梶田隆明章博士による特別講演「カミオカンデ研究について」は午後5時よりスウェーデン大使館内にあるアルフレッド・ノーベル記念講堂において開催され、日本スウェーデン協会会長水田宗子博士による開会の挨拶、またマグナス・ローバック駐日スウェーデン大使によるスピーチのあと、ニュートリノに関する高度な研究内容に関する梶田博士の講演と、会場に参集した百名近くの参加者kらの活発な質疑応答がなされた。
講演後、会場をローバック大使ご夫妻の公邸に写して、午後6時45分から9時までなごやかに年次晩餐会が開催された。開会にあたって水田宗子日本スウェーデン協会会長から、これまで駐日スウェーデン大使として日本スウェーデンの友好文化交流に貢献されたローバック大使が離日されるに際しての感謝と送別の意味もあることが説明された。ローバック大使に対しては、日本スウェーデン協会からは、日本の古典音楽に詳しい大使に対して国際メディア・女性文化研究所の小渕洋一理事がご紹介の労をとられた傳杜氏の手作りの竹笛が贈呈された。会場には、城西国際大学で福祉を学ばれスウェーデンに留学された高円宮絢子女王を通してスウェーデンと水田理事長を通して強い友好の関係を祝って城西国際大学を誘致し大学の維持協力に尽くされている東金市長、石崎東金市議会議長、行木英子城西国際大学維持協力会副会長なども駆けつけて国際メディア・女性文化研究所からの陣羽織の贈り物などをローバック大使夫妻に贈呈した。これに大使返礼のスピーチがローバック大使からなされ、また、鴨川市から本多元市長ご紹介によるジョン・海山・ネプチューン氏による尺八演奏などが人びとを楽しませた。
水田宗子日本スウェーデン協会会長によるスピーチを以下に記す。
Welcoming speech at the lecture by Dr. Takaaki Kajita and the 2019 Annual Dinner Party of JSS and the farewell party for Ambassador Magnus Roback
By Dr.Noriko Mizuta, President, JSS
Dear friends of JSS, Ambassador Robuch and our honorable guest Dr. Kajita,
It is indeed a great pleasure for me and for JSS to be able to hold the annual dinner party of 2019. We are very honored to have a lecture by Dr. Takaaki Kajita, who is the recipient of the Noble Prize of 2014.
First of all, I would like to express our gratitude to Ambassador Robuch for his generousity for letting us use the Embassy Auditorium for this lecture and the residence for the following dinner for JSS. His generosity gave a special significance to our activity. I hope we could express again our deep-felt gratitude to Ambassador at our farewell party following the lecture.
JSS have been active in promoting civil, good will close relations between Japan and Sweden in the past 90 years. We are very thankful to all the supporters of JSS and members of our society who showed all these years unshakable love and respect to both countries and tied us with deep friendship.
Today my only regret is the shortness of time. Dr. Kajita’s contribution of the field of physics and the study of universe is all very well known; he is not only a pride of Japan and the world but also of JSS as he is our honorary member. I would like to thank him sincerely for taking time out of his extraordinary busy schedule to give us a lecture at our most important Annual Dinner Event.
Thank you everyone, members and friends of JSS for attending the lecture and the following party. Thank you very much.
Noriko Mizuta
President
Japan Sweden Society.
June 13, 2019
6月30日『カリヨン通り』20号刊行予定目指して編集作業中
同人雑誌であり、研究所員による四行連詩、女性四行連詩、エッセイ、書評、映画評、詩作などを発表している。
20号には東金俳句に夏瑛先生の俳句が掲載されます。
研究所の機関紙、ニュースレター、あるいは
同人雑誌 『カリヨン通り』 その他についてのお問合せは、下記にお願いします。
Please contact us for purchasing our publications or other inquiries for IIMWS.
▶ email: iimws1222@gmail.com
▶ web: https://iimws.wordpress.com/
▶ 東京都文京区本郷三丁目26-4ドルミ本郷東京佐々木ビル901号
2019/06/23
オックスフォードでの講演を終えてロンドンへ行きました。ロンドンは何と50年ぶりです。
2019/06/3
2019/04/21
2019/04/6
4月6日
ラズロ・ヴァーシャ教授、ハンガリー外務省研究員の講演。
EU、ハンガリー、ヴィシェラード4、日本の将来と人材育成の必要性についての講演。
研究所で長時間議論が深まりました。