2021/09/30
2021/09/30
2021/01/26
2020/10/22
詩と批評のスリリングな関係
詩の領域も詩の魅力も、詩でなければ表現できないもの、という一言に尽きるだろうが、詩表現は、詩人という個人の、生の実在の領域でもあり、究極的に不可視ではあっても、他者の実在が、他者の存在意識が確かに立ち上がる一瞬を与えてくれる。(「はじめに」)
清岡卓行、石垣りん、茨木のり子、白石かずこ、谷川俊太郎、高橋睦郎、井坂洋子、正津勉……。「食べる」「剝ぐ」「戻る」といった行為、あるいは、「記憶」「場所」「痛み」といったキータームから、現代詩を従来にない切り口で読み解く。カバー写真=エヴァ・ヴァリエ、装幀=伊勢功治
本体2400円+税
四六判上製・160頁
ISBN978-4-7837-3823-7
近刊・予約受付中
2018/03/8
出版社:アーツアンドクラフツ (2017/1 2/1)
著者:水田 宗子 ,小林 富久子,長谷川 啓 ,岩淵 宏子 ,北田 幸恵
<本の紹介 >
戦後女性誌論執筆中…序説として「Tokyoの誕生」というテーマで
白石かずこ論から始めています。
東京ではなくTokyoという世界的トポスを女性の身体ー内臓世界とし、
そこを放浪する人々を凝視する女性のペルソナを、
瞑想する釈迦と放浪する
自身の分身関係として語る「My Tokyo」について論じました。
「国際メディア.女性文化研究」Vol.I,no.1創刊号に掲載されています。
続きは白石かずこのユリシーズの誕生を「聖なる淫者の季節」の批評で書きます。
2013/05/24
出版社: 平凡社 (2013/5/24)
水田 宗子 (著)
<本の紹介>
現代女性作家の巨星・大庭みな子の啓示的で豊饒な世界を読み解いた画期的な評論集。最適任者の評者で、大庭との対談も収録。他者のトラウマの記憶を自己探求に繋ぎ、ヒロシマを通して現代文明の痛点を描出しているとともに、地球という自然の中に棲息する一つの小さな生命体にすぎない人間存在という認識に辿り着く思想をも探究している。そして、円環構造を形成するのは女の産む性の力であることに言及。山姥は里社会の規範の外部、山に生きる存在であり、原初の自然の中で生きる野生動物の如き生き物の母としての女の根源的な性のあり方の原型の顕現だと説く。大庭を通して評者の思想を展開しているのである。「霧の旅」「啼く鳥の」「寂兮寥兮」「七里湖」など多数論及。(KH)
2005/04/1
出版社: 新宿書房 (2005/4/1)
水田 宗子 (編集)
<本の紹介>(「BOOK」データベースより)
今日、女性たちがいろいろな分野で取り組んでいる問題は、単に女性を巡る問題という
だけではなく、男性も女性も、大人も子どもも、高齢者も若い人たちも、国も自治体
も、健常者も身体に障害を持っている方たちもと、すべての人たちを巻き込む大きな問
題であり、その解決が、対等な性差と平和な世界を作るために必要であるという認識に
立っている。各分野のリーダーが語る女性と社会の現在、そして未来。城西国際大学主
催女性学講座シンポジウムの記録。
<本の紹介2>(「MARC」データベースより)
2004年6月に開催した、城西国際大学主催の女性学講座シンポジウムの記録。「少子高
齢社会のゆくえ」「次世代育成を考える」「21世紀の地方自治」「女性と仕事」「医
療・福祉・誇り」等を収録。
2004/05/15
出版社: 集英社 (2004/05)
水田 宗子 (著)
<本の紹介 >
20世紀の後半に「女性」に関する思想・理論が、近代化の過程で構築・強化された前近
代的社会制度の家父長制と性差文化を揺さぶり、「女性学」というアカデミック・ジャ
ンルを打ち立てた。放浪する男と閉じ込められて動かぬ女という構図は脱構築され、身体
的にも思想的にも自由に移動する女性の主体性はどのように可能となったか。フェミニズム
批評によって文学、映像、哲学、法律、社会制度などの分野で新しい研究領域を産み出す
「女性学」「ジェンダー研究」をエネルギッシュに日本に紹介し、グローバルな大学の教育
カリキュラムとして根付かせた優れた比較文学者、詩人、フェミニズム批評の学者、教育者、
大学経営者である水田宗子さんが、女性学と出会い、いかに自らの全てを傾けて世界水準の
国際人材育成の大学として発展させてきたかを辿るこの書との出会いは、まさに世界規模の
思想家水田宗子さんという偉大なる人間との出会いとなるのである。(YW)
2004/05/10
出版社:集英社 (2004)
水田 宗子 (著者)
<本の紹介 1>
’70年代、社会を変えた研究分野が誕生した!女性の視点から社会や経済、文学をとら
え直す新しい研究分野、「女性学」。’70年代アメリカでこの学問を立ち上げ、確立し
た著者が語る女性学史。フェミズム、ジェンダー論等が理解できる最適の入門書。
<紹介略文 2>(「BOOK」データベースより)
女性学は、女性の視点の発見に始まった。二十一世紀を迎えた今。それは、男と女を、
中心と周辺、公と私、優位と劣位の存在とすることで成り立ってきた、ジェンダー―近
代性差社会と文化の構造そのものの虚構を、根本から問い直すにいたっている。本書
は、フェミニズム批評を一貫して展開してきた著者が、一九七〇年代初めの女性学の揺
籃期から現在までを、女性の時代を共有した人々との出会いを中心にふり返った、興味
深いフェミニズムと女性学「私」史である。
2003/10/15
出版社: 學藝書林 (2003/10)
水田 宗子 (著)
’70年代、社会を変えた研究分野が誕生した!女性の視点から社会や経済、文学をとら
<本の紹介>(「BOOK」データベースより)
1990年代後半から2000年代初めに発表された論文、講演記録など13篇を収録。フェミ
ニズム/ジェンダーの視点から「他者」や「女性表現」を理論的に解明した「性的他者
とは誰か」(岩波講座社会学10『セクシュアリティの社会学』)や「近代化と女性表現の
回路」(日本女性学会二〇周年記念講演、『女性学』)、漱石文学におけるヒロインと
ジェンダーの問題を追求した「『虞美人草』における漱石の〈藤尾殺し〉について」
(『國文学』)、『浮雲』をジェンダーと移動から論じ、これまでの林芙美子論を塗り替え
た「放浪する女の異郷への夢と挫折」(『フェミニズム批評への招待』)などの他、石垣
りん、白石かずこ、吉原幸子などの画期的女性詩人論が収録されている。(SK)
2002/02/15
出版社: 學藝書林 (2002/02)
水田 宗子 (編集), 北田 幸恵 (編集)
<本の紹介>(「BOOK」データベースより)
山姥とはなにか。邪悪な鬼女か、豊穰の女神か。古事記、日本書紀から今昔物語、能、
歌舞伎、そして大庭みな子らの現代小説にいたるまで、新しくよみがえり続ける山姥。
この魅惑の女性原型をめぐって、研究者、作家、詩人、刺繍家ら12人が織りなす挑発的
なアンソロジー。
1998/12/20
出版社: 思潮社 (1998)
水田 宗子 (著者)
<本の紹介1>
感性豊かで自己意識の強い女性を縛り付けるジェンダー文化と家父長制という社会制度
を逃れるには生殖と性を拒否し、婚姻が女性を囲い込んできた「家と里」を出て、旅に
出るか、裏山へ逃げて山姥となるか、男性には予測もつかない狂気、ヒステリーの発作
という精神状態へ逃れるか、羽衣をまとうか、天馬にまたがって天に駆け上るか、ある
いは想像力という羽衣をまとって自己表現者となるのだという女性表現が近代批評の核心
となったと読み解くフェミニズム批評によって、「女性と移動」を「終わりのない旅」と
譬える作品である。1996年にネパールへ旅をして羽衣のように女性たちが身にまとう色鮮
やかなサリーを目にした水田さんが、女性の自己表現の深層を深くえぐる文章にして
『現代詩手帖』1997年2月号から1998年4月号に連載したものに、終章を加筆したものである。
ネパールへの女の旅を共にした者として、この大切な宝物を何度も読み返している。( YW)