2004/05/15
出版社: 集英社 (2004/05)
水田 宗子 (著)
<本の紹介 >
20世紀の後半に「女性」に関する思想・理論が、近代化の過程で構築・強化された前近
代的社会制度の家父長制と性差文化を揺さぶり、「女性学」というアカデミック・ジャ
ンルを打ち立てた。放浪する男と閉じ込められて動かぬ女という構図は脱構築され、身体
的にも思想的にも自由に移動する女性の主体性はどのように可能となったか。フェミニズム
批評によって文学、映像、哲学、法律、社会制度などの分野で新しい研究領域を産み出す
「女性学」「ジェンダー研究」をエネルギッシュに日本に紹介し、グローバルな大学の教育
カリキュラムとして根付かせた優れた比較文学者、詩人、フェミニズム批評の学者、教育者、
大学経営者である水田宗子さんが、女性学と出会い、いかに自らの全てを傾けて世界水準の
国際人材育成の大学として発展させてきたかを辿るこの書との出会いは、まさに世界規模の
思想家水田宗子さんという偉大なる人間との出会いとなるのである。(YW)