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水田宗子

評論

大庭みな子 記憶の文学 (単行本 )

2013/05/24

出版社: 平凡社 (2013/5/24)

水田 宗子 (著)

 

<本の紹介>

現代女性作家の巨星・大庭みな子の啓示的で豊饒な世界を読み解いた画期的な評論集。最適任者の評者で、大庭との対談も収録。他者のトラウマの記憶を自己探求に繋ぎ、ヒロシマを通して現代文明の痛点を描出しているとともに、地球という自然の中に棲息する一つの小さな生命体にすぎない人間存在という認識に辿り着く思想をも探究している。そして、円環構造を形成するのは女の産む性の力であることに言及。山姥は里社会の規範の外部、山に生きる存在であり、原初の自然の中で生きる野生動物の如き生き物の母としての女の根源的な性のあり方の原型の顕現だと説く。大庭を通して評者の思想を展開しているのである。「霧の旅」「啼く鳥の」「寂兮寥兮」「七里湖」など多数論及。(KH)

 

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