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水田宗子

幕間

2017/09/27

これまでの翻訳は作品を他の言語に置き換えることで、 作家論をしているわけではないと思っていた。作家論や作家研究は、私の批評と相容れないところがあって、なるべく小説作家とはお付き合いをしないようにもして来たのである。今回の翻訳で改めて知ったことは、トリュフォーの評論を訳しているのに、彼の人生が私の思索と想像力の全てを捉え、作品論の良さはどちらかといえばどうでも良いくらいに思えて来たことだ。トリュフォーという作家がどのように作られたのか、その内面を含む全てと作品との関係に興味が集中してしまったことだ。

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