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水田宗子

幕間

2017/08/18

裏切りと復讐、制裁、処罰の関係は、どのような裏切りの形とその対象においても表裏一体をなし、そこには、人間的正義という価値観が、法の価値観とは異なるものだという、その意味で社会的正義の裏からの達成というフレームが存在する。裏切りもその処罰としての復讐も、「裏」の行為なのである。「裏」が「表」より重要であるという価値観は、その視点が常に敗者の側にあることを示している。敗者の正義と無念、名誉が復活するのは文学と哲学の領域で、裏切り者が永遠にそこで蔑まれ、嫌われる続けることにある。復讐は個人的行為であり、裏の行為であっても、文学と哲学という文化の表通りで生き続けることで達成されるのだ。


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