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水田宗子

幕間

2017/08/17

裏切った者が文化表現空間で非人間的な、正義に悖る行為を犯したものとして永遠に語られ、裏切られた者の無念と復讐者の信念と勇気を人間的正義として永遠に生き続ける、そのことが文学や哲学が社会制度の権力構成との根本的な矛盾、批判と対立から生まれるものであることを示しているだろう。その意味で、20世紀文学批評は文学と政治の関係を問うてきたが、文学とは政治とは無縁に描かれても、根元的には反体制であり、政治的なのだ。政治では救えないから文学表現で描かれなければならないのだろう。


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