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水田宗子

幕間

2017/09/28

私は詩と詩人が好きだが、小説作品には詩だと思えるものが多くある。谷川俊太郎さんは詩とポエジーは違うと言って、詩作品でもポエジーのないものは詩ではないと言っている。大庭みな子さんは、自分は詩人だといつも言っていた。中沢けいさんの「海を感じる時」、森敦さんの「月山」などは詩作品として今でも心に残ったままだ。でも小説家の描写力はすごいので、そして構築ということが小説では市民権を与えられていて、 それが小説本来的な表現の形を作るので、やはり、小説家は詩人では真似のできない腕を持っている。しかし、最近また、谷崎潤一郎と芥川龍之介の論争が注目されているのは、小説と詩の間が、詩と俳句の間同様、ジャンルの越境による表現の変容が顕著となっているからだろうか。


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