2017/08/19

信頼と対等と自由意志。そして存在理由となる価値観。これらによって選択された裏切りはり、自己救済と生き残りのために仕方なく選んだ裏切りへの参加とは桁違いに、人間としての尊厳を傷つける。信頼関係によってのみ構築される友人関係は、敵になる可能性を最も確実に持つ関係でもあるのだ。信頼は人間的価値の根源でありながら、裏切られないことによってのみ保証される価値なのであり、したがって、最も裏切られる可能性の高い価値でもあるのだ。だからこその結果は人間性への不信、そしてニヒルないわば諦めの自滅志向へ導いていくのだろう。人間的価値の一方的破壊が人間性への犯罪でありながら、法が裁かない、そのような矛盾を抱える近代社会の進展で、裏切りと復讐（処罰）は、どこでも誰にでも起こる内的経験であり続け、ますます複雑な実存的課題となっていくだろう。

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