1979/09/15
+シルヴィア・プラスー受難の女性詩人
出版社: 牧神社、 (1979/9)
水田 宗子 (著), シルヴィア・プラス (著)
<本の紹介>
創造への飽くなき欲求と妻・母としての役割の重圧に引き裂かれながら、その過程を
魔女伝説等に託しつつ特異な詩の数々として表した米国女性詩人、シルヴィア・プラス。
本書は、そうした彼女の作品世界を著者による代表詩の邦訳と評論を通して掘り下げた、
日本のプラス研究での先駆的名著と見られる。フリーダンの『女らしさの神話』出版と
同年に自ら命を断ったプラスに関しては、フェミニズム視点によるあまたの研究書がある
が、本書の見所は、詩人の「怨念、復讐、罪意識」等を原点とする「死への憧憬」ないし
は「自己解放」、「救済」への動きへのスリリングな分析にあり、プラス詩同様、本書
自体を緊迫感に満ちた魅力的な読み物としている。(FK)