2012/01/15
出版社:思潮社 (2012/01)
水田 宗子 (著)
<本の紹介>(「BOOK」データベースより)
佐川ちか、茨木のり子、石垣りん、白石かず子、吉原幸子、高良留美子という戦後女性
詩を代表する詩人たちの作品を、「わたしという個体」をキータームに読み解いたフェ
ミニズム批評による画時代的評論集である。現代女性詩の表現は、「わたしを語る」、
すなわち「一人称で語る」ことを表現の根拠においた近代詩表現を受け継ぎながら、
「わたし語り」を越えて、孤独の暗闇のなかで見えない自己を可視化するための自己表象
への試みであったという本質を明らかにした。さらに、その表現は、自分でも掴めない
自分、言語化されない自己の内面風景に佇みながらも、ジェンダー文化の外部への果敢な
脱出の模索であったことを鮮やかに検証している。(HI)