2012/01/15
出版社:思潮社 (2012/01)
水田 宗子 (著)
<本の紹介>(「BOOK」データベースより)
佐川ちか、茨木のり子、石垣りん、白石かず子、吉原幸子、高良留美子という戦後女性
詩を代表する詩人たちの作品を、「わたしという個体」をキータームに読み解いたフェ
ミニズム批評による画時代的評論集である。現代女性詩の表現は、「わたしを語る」、
すなわち「一人称で語る」ことを表現の根拠においた近代詩表現を受け継ぎながら、
「わたし語り」を越えて、孤独の暗闇のなかで見えない自己を可視化するための自己表象
への試みであったという本質を明らかにした。さらに、その表現は、自分でも掴めない
自分、言語化されない自己の内面風景に佇みながらも、ジェンダー文化の外部への果敢な
脱出の模索であったことを鮮やかに検証している。(HI)
2010/12/15
出版社: 埼玉新聞社(2010/12)
水田宗子 (著)
<著者略歴> (「BOOK著者紹介情報」より)
水田宗子
1970年、米国イェール大学博士号取得。米国スクリップス大学、南カリフォルニア大
学を経て、城西大学副学長、学長を歴任。1996年から2009年まで城西国際大学学長、
2004年より学校法人城西大学理事長に就任し現在に至る(本データはこの書籍が刊行さ
れた当時に掲載されていたものです)
<本の紹介>準備中
2005/03/25
出版社:新典社、(2005)
水田 宗子 (著者)
<本の紹介>
1919年から1932年まで東京で生活をし、アバンギャルド文学先行者として作品と才能を
高く評価されながらも突然「行方不明」となり1958年巌谷大四、1960年花田清輝がその
代表作『第七官界彷徨』を取り上げるまで世に知られることなく、1971年故郷の鳥取で
75歳の生涯を閉じた尾崎翠は、死後27年に『定本尾崎翠全集』(筑摩書房)が出版され、
死後30年に浜野佐知監督の映画『尾崎翠を探して』によって紹介された。エドガー・
アラン・ポウの研究者である水田さんは、その3年前から「尾崎翠」を探して山陰の鳥取
へ、また東京の上落合へと旅を続けていた。ポウと尾崎翠を結びつけるものは、少女と
いう主体だと水田さんは見抜く。翠は激しい頭痛を鎮痛剤でだましつつ幻想の中で都市
空間の群衆の中を浮遊し、実際は下宿の一部屋の中でひたすら少女や蘚といった無性的
存在の物語を書いた。死の床での「むごい」という言葉も、世間での活躍の場を奪われた
者の言葉ではなく、未完成の「第七官界」の世界を彷徨する機会を死によって奪われる
無念さであろうとの独自の新しい見方を水田さんは提供している。尾崎翠研究者にとって
不可欠の書である。(YW)