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水田宗子

評論

物語と反物語の風景―文学と女性の想像力 (単行本)

1993/12/15

出版社: 田畑書店 (1993/12)

水田 宗子 (著)

<本の紹介>

〈小説〉と〈物語〉との対立とその相補関係には、本来的にジェンダーの問題と視点が深く関わっていることを説きながら、表現の奥深くに隠蔽された女の内層や狂気の複雑な構造を探究し、女性の文学空間の全容を解き明かした書。例えばメアリー・シュリー「フランケンシュタイン」の、女の怨念や狂気というメタフォアとして屋根裏部屋に閉じ込められ、浄化の火で焼かれることによってのみ解放される物語の解析。円地文子「女坂」の、抑圧された深層を探究する女のルサンチマン物語はゴシック物語に変身していくという鋭い分析。また、内面への探究と深層への下降は、現代女性文学における女性の自己表現の原点を位置づける重要な要素であると指摘するなど、女性の想像力・創造力に迫ったフェミニズム批評の傑作である。(KH)

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